老健施設の役割について

いよいよ、少子・高齢化からの人口減少の局面となり、福祉関連でも、就業者の確保が困難となり、利用者の減少・需要の減少を見据える状況となって来ました。当然ですが他産業でも人材不足が言われており、人件費の高騰、物価の上昇、物不足も顕著となり、社会環境の悪化が明らかです。その様な環境の中で、介護系施設、特に老人保健施設の果たす役割をどう考えるかが、大事だと思います。

特別養護老人ホームは要介護3以上の介護+住居としての役割を持ち、グループホームも軽症認知症介護+住居としての役割があります。そして実際の機能・現状もそうなっていると思います。老人保健施設は老健法の改正で、在宅を支える施設と定義され、その役割を果たすべく努力していますが、在宅復帰が出来る入所者の割合は、正直半数に満たず、内容も在宅復帰先が有料老人ホームだったり、サービス付き高齢者住宅だったり、特別養護老人ホームだったり、です。

内容はともかく、現状の老人保健施設の機能の半分が在宅を支える事に使われているとして、残りの半分は、重度認知症の利用者、身体機能の低下が著明な利用者を最期まで、医療・看護・介護・リハビリが力を合わせて看ている事に使われています。立地などの関係で後者の機能が大きくならざるを得ない施設もあると思います。しかし、その部分に対する評価が不十分だと感じられ、そこに対する評価を求める必要性があると考えます。特に認知症末期の高齢者で、医学的管理も必要な場合は、老人保健施設や介護医療院での長期管理が必要となっています。

認知症基本法が制定され、重度認知症に対する介護・看護のあり方の模索も必要な状況だと思います。在宅復帰支援と並ぶ老人保健施設の柱として認知症介護・看護を掲げ、社会的評価を得て行く事が必要です。老人保健施設の役割として、在宅支援と認知症支援の2つが社会的に明確に認知されることが、生き残れる道だと思います。

理事長 矢尾板 誠一