リハビリテーションの新常識を学ぶ

皆様あけましておめでとうございます。
昨年は年初から大変なスタートとなり、まだまだ苦労されている方も多いかと存じますが、オリンピックや大谷翔平選手の活躍など徐々に明るい希望も芽生えたように感じています。今年は着実に新しい活路を見出せるような1年にするべく、地に足をつけて進んでいければと思います。

さて、昨年いくつかの学会参加や様々な講演会聴講させて頂き、新治療薬が使えるようになった認知症、前回コラムで触れた睡眠、地域連携の重要性など勉強になる内容が多くありました。印象深いものとしては、「こころ」のありかについての脳科学的な研究がありましたが、主観的な感想を述べてしまうと哲学や趣味(SFなど)の話になってしまうので、今回少し触れさせて頂くのはリハビリテーションの発展についてとします。
一般的にリハビリテーションというと、身体的なイメージが強く、療法士さんの関りや自主トレーニングを思い浮かべると思いますが、最近は電気・磁気等の刺激で神経・筋肉に伝えて動きを増強する機械から、VRによる視覚・聴覚等の刺激で運動を改善するようなものまで、治療の段階に応じて効果的に使用していくことが理想とされています。

あるVR機器の紹介では、脳と体のネットワークを再プログラミングするような効果があり、1-2週に1度、1回20分のリハビリテーションを続けるだけで、歩行のふらつきが顕著に改善した例の動画を見ることができ、驚きを感じました。もちろん早期から医療機関で行うことが重要ではありますが、今までは発症から長期の経過で改善が難しかった場合でも、効果がみられる可能性があるようです。後遺症による抑うつ軽減なども期待され、身体的だけでなく、認知機能に良い影響を与える研究結果もあり、今後介護現場まで普及が進むことが望まれます。現状ではまだコスト等の課題があり、当法人では導入できておりませんが、AIとの親和性が高い分野で、さらなる進歩があると思われるので、少しずつ取り入れて活用できるようにしたいところです。
個人的にも色々なトレーニング機器を使って運動習慣の改善を目指さなければと思っているところですが、昨年の目標であった生成AIの活用もできておらず、まずは3M・5Sといった生産性向上から取り組む必要がありそうです。

医師 矢尾板 亮