共生社会について

最近、共生社会という言葉をよく耳にします。数年前まで地域包括支援が叫ばれ、その深 化として出てきた言葉です。

高齢化・少子化・人口減少が進み、高齢者を支えて何とかや っていくには如何したら良いのか。其の行き着くべき所が共生社会として語られています が、ある面、厳しい社会です。男も女も、日本人も外国人も、老いも若きも、障害がある 人も病気の人も、認知症の人も、AIもロボットも、皆、力を合わせて支え合う社会です。

しかし、老いて行く身で考えると、頭は働かなくなり、体はあちこち痛くて、筋力も低下 し動けなくなっていくので、そんな自分に鞭打ってパフォーマンスを維持しなければなら ず、頭はAIに頼り、体はあちこちを人工物で交換してサイボーグ化しながら生命を維持 して、AIやロボットなどの力を借り、外国人や周りの老人たちと助け合って仕事をし続 ける事になります。

どこまでと問われば、息絶えるまでという事になります。助け合って 頑張っていると、更に高齢化が進んで周りの人がいなくなり、そして誰もいなくなっ た・・・。

結局、若い世代が減り続けると絶滅するのは自明の理で、共生社会で頑張って いるうちに、社会環境に大変革を起こして、無理なく子供が生まれ育つ社会に変化するこ とが必要なのだと思います。そのためには、スポーツや芸術分野で多くの天才を輩出して 頑張ってもらうのも大事ですが、エネルギー事情の改善も必要でしょう。

科学はその可能性を開く大事なカギになると考えます。その様な所を大事にして、いろいろな芽を育てる 事が必要です。年寄りが頑張っているうちに新しい芽が育ち、社会環境が変わって、若い 世代が増えて行く社会が、共生社会のもう一面でなければなりません。

理事長 矢尾板 誠一