生涯スポーツ

今年はWBC侍ジャパン世界一。その後のメジャーリーグでの日本人選手の活躍。野球以外でもサッカー日本代表の躍進、バスケットやラグビーのW杯開催等スポーツに関する明るい話題が多い年だったと思います。私自身元々スポーツは行う事も見ることも好きでしたが最近はもっぱら観戦専門となっています。頭では心身の健康のためにもスポーツ・運動をした方が良い事はわかっていても機会や時間が無い等理由をつけては体を動かさなくなっていきました。

国ではスポーツ基本法を制定しスポーツを通じて「国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む」ことができる社会の実現を目指すと定めています。またスポーツ庁による第3期スポーツ基本計画では、「成人のスポーツ実施率を週1回以上が70%程度となることを目指す。」とし生涯スポーツを推奨しています。

生涯スポーツとは、健康づくりや社交の場を目的として「生涯を通じて、いつでも、どこでも、誰でも」親しめるスポーツのことをいいます。先にあげたWBCやW杯等は競技スポーツとなり、相手や自分との勝負に「勝つか負けるか」が主な目的になります。勝つため、記録を伸ばすためには努力をし、試合等を通じ見ている人に感動を与えます。生涯スポーツはスポーツを行うこと自体に目的があります。そのためワールドマスターズゲーム等の生涯スポーツの大会でも勝敗はつきますが、スポーツを行うこと自体が生涯スポーツの最大の目的になるため、競技スポーツとは目的が異なります。また生涯スポーツには次のような意義と役割があります。1爽快感や達成感、知的満足感等の精神的な充足や楽しさがある2人間的なふれあいを深め、他者との連帯感をもたらす3集団の中で自己の個性を発揮し、自己実現を可能にする4健康の保持増進、体力の向上に役立つ等、身体面だけでなく精神面にも良い効果をもたらします。スポーツというと野球やサッカー等道具を使うもの、道具を使わずともマラソンや陸上等をイメージするかも知れません。しかし実際はウォーキングや散歩、ラジオ体操等特別な道具や場所を必要としない物もスポーツとなるため、まずは気軽に行えるものから始めてみると良いかも知れません。また一人では続かなくとも周りに人がいると続く人もいると思うので、周りを巻き込んでみるのも良いかもしれません。健康の維持増進のため、楽しみのため、仲間とのふれあいのため等目的は人によって色々あると思いますが、ぜひ自分が楽しく続けられる生涯スポーツをみつけてみてください。

作業療法士 渡邊 健太郎