早いもので、2023年もすでに半分が過ぎてしまいました。ほんの少し前に年が明けた話をしたばかりのように思っていましたが、いつの間にか世間は夏真っ盛りとなっています。毎日のうだるような暑さ、夕方にやってくるゲリラ豪雨、それによりさらに蒸し暑くなる夜、とどまることなく上がる電気代…。不快感も多いこの季節ですが、その反面、夏祭りや花火大会など、この季節だからこそ(そして新型コロナが5類になったからこそ)できる楽しみも多いかと思います。特に小学生の子供たちからすれば、夏休みという大きなイベントが待っています。もはや遠い記憶となっていますが、あの頃感じていたワクワク感は大切にしたいものですよね。
ワクワク感と言えば、皆様にはワクワクすること、つまり趣味はありますでしょうか。人によって様々かと思いますが、これをやっている時が一番楽しい、と思えることは何かしらあるかと思います。
介護老人保健施設でご利用者様とかかわっていると、趣味をやりたいけれどやれない、と訴えられる方に多く出会います。骨折で思うように動けなくなったから、脳梗塞で利き手が使いづらくなったから、など理由は様々ですが、どれほど歯がゆく悔しい思いをしていることか、想像もつきません。若いころはこんなことをやったよ、と目を輝かせながら話すご利用者様を見ていると、それがどれだけご本人様にとって大切な趣味だったのか、ひいてはパーソナリティだったのかということを考えさせられます。
私は今、手作業が好きだった、得意だったという方々と一緒に、毎月貼り絵を行ってカレンダーづくりをしています。もしかしたらご本人様からしたら物足りないと感じる部分もあるかもしれませんが、日常の中に少しでも楽しいと思える時間が作れればと考えています。
「若いころにもっとやっておけばよかったよ」。
人生の先輩方が口をそろえて言う言葉です。誰しも年を取り、いつかは自分の思うようには身体が動かなくなってしまう。当たり前のことのはずですが、それを毎日意識しながら生活している方は少ないのではないでしょうか。
自分がやりたいことを、全力で楽しむ。作業療法士として皆様に楽しみを提供する身であるからこそ、今のこの時間を大切に生きていきたいものです。
作業療法士 安部颯