膝の痛みについて

私が社会の一員になって早1年以上が経ちました。あの地獄のような国家試験の勉強が昨日のことのように思います。現在は職場の上司、先輩方に支えられ日々精進しております。

リハビリを行う中で利用者様の訴えとして「膝の痛み」が多く聞かれます。その原因の中で最も頻度が高いのが変形性膝関節症とされています。今回はこの変形性膝関節症についてお話していきたいと思います。

この変形性膝関節症はテレビなどで一度は耳にした言葉かもしれませんが、その発症率は40歳以上の5人に1人とされています。膝関節は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)、膝蓋骨(お皿の部分)で構成され滑膜という膜で覆われています。骨と骨の間にはクッションの役割となる軟骨があります。変形性膝関節症ではこの軟骨が加齢や筋肉量の低下によりすり減り、痛みが生じます。初期症状では立ち上がりや歩き初めに痛みがみられ、進行すると激しい痛みにより動作が困難となります。

リハビリでは変形性膝関節症へのアプローチの一つとしてとして、運動療法が有ります。運動療法によって、膝関節周辺の筋肉の緊張をほぐしたり、筋力を向上させたりすることで痛みの軽減が期待できます。ここでは自宅で簡単に取り組める運動をいくつか紹介します。

1つ目は仰向けで寝て膝下にクッションやバスタオル等を挟み床面に向かって押し付ける運動です。1セット20回を2~3セット行いましょう。2つ目は仰向けで両膝をたて、お尻を上げる運動です。こちらも同じく1セット20回を2~3セット行いましょう。余裕のある方は片足を伸ばし、上げた状態でお尻上げを行ってみて下さい。

変形性膝関節症は徐々に進行していく疾患です。上記で述べた運動でも継続的に続けることで進行の予防、痛みの軽減が見込めます。まだまだ暑い日々が続きますが、熱中症に気をつけて無理のない範囲で運動を行っていきましょう。

理学療法士 中川京也