デジタルに求めること

あけましておめでとうございます。令和4年となり、新元号となってから早くも3回目の年明けを迎えることになりました。
最近DX(デジタルトランスフォーメーション)やVR(仮想現実)などIT技術についての報道を目にする機会が増えてきました。日本政府もデジタル庁を創設してマイナンバーカードで個人情報の一元化を図るなど、岸田総理の会見でも力を入れて取り組む分野と仰っていました。(5Gは来年2023年に普及する予定ともありました)
使いこなせれば便利な技術であることは確かですが、まだ抵抗がある人が多いのも確かで、誰も取り残されないことを目指すには、使いやすさやルール作りなどで課題は山積と感じます。
医療や介護の視点から期待したいことは、① 安全かつ効率的な情報共有 ② AIやロボットによる負担の軽減 ③ 一人一人に寄り添えるリアル感です。
①、②は現在行っている電話連絡や労作業などを肩代わりしてくれるもので、職員の負担軽減とともに質の向上につながります。
③が一番大切なところで、実際の映像を使用したVR体験が認知機能に良い刺激となることなどが知られていますが、まだCGでは質がいまいちと感じざるを得ません。音楽の臨場感やアニマルロボットなど質が良くなっているものもありますが、温かみなどがリアルとは違うと思われる方は多いでしょう。
そのような中で利点となるのは、近年医療や介護でも叫ばれているオーダーメイドのケアができるということだと思います。集団でのリアルな体験は一つの楽しみですが、個人の尊重が大切にされる時代となり、それぞれの好みに合わせて内容を変えられるのがデジタルの強みです。また、技術が進歩すれば、リアルでは不可能な体験(重度麻痺の方が仮想世界で走り回るなど)ができ、それが現実の身体に良い影響を与えることも期待できます。
それこそ個人的な好みの内容に傾きましたが、令和の時代は悪いことばかりじゃないと、前向きに頑張っていきたいと思うのでした。

医師 矢尾板 亮