活動性が低下すると…

紅葉の季節になり、日光市でも観光客が増えてきているようです。週末になると道路には多くの車が走り、渋滞も見かけるようになりました。また、国からの支援である go to トラベルや go to イートなどを利用して出かける機会が増え、経済活動が徐々に再開されているようです。
しかし、そのような中でも新型コロナ感染症に自分が感染しないように、または感染が拡大しないようにと必要最低限の外出で済ませる方や活動を自粛されている方も多いかと思います。特に、ご高齢の方はご自宅で過ごすことが増えてしまったことかと思います。高齢者の方は若い人達と比べると、活動性が低下してしまうことで身体機能面や認知機能面の低下があらわれやすいので、注意が必要になります。身体機能面や認知機能面の低下により、今まで出来ていたことが出来なくなってしまい、要介護状態になられてしまった方や要介護状態が悪化されてしまった方もいるかもしれません。
今回は、加齢や運動不足によって起こるロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)についてお話をしたいと思います。

まずは、みなさんに以下の7つのチェックをしてもらいたいと思います。
1.片脚立ちで靴下がはけない
2.家の中でつまずいたり、すべったりする
3.階段を上がるのに、手すりが必要である
4.家のやや重い仕事が困難である
5.2㎏程度の買い物をして持ち帰ることが困難である
6.15分くらい続けて歩くことができない
7.横断歩道を青信号で渡りきれない

ひとつでも当てはまる方は、「ロコモ」が疑われます。
ロコモとは、運動器(骨・関節・筋肉のこと)の障害のために立つ、歩くといった移動機

能の低下をきたした状態をいいます。
ロコモになってしまう原因にはいろいろありますが、運動習慣のない生活や活動量の低下など体を動かす機会が減ってしまうことが挙げられます。また、運動のやりすぎや正しいフォームで運動を行わないことにより関節に負担をかけてしまい痛みを出してしまうことも原因のひとつになります。痛みが出ると動くことがつらくなってしまい、外出などの活動性が低下してしまうことがあります。それが、体力や筋力の低下につながり悪循環になってしまいます。

では、ロコモを予防するために必要なことはなんでしょうか?それは、運動と食生活になります。
運動では、バランス能力をつける「片足立ち」と足の筋力をつける「スクワット」の2つの運動がおすすめになります。しかし、「スクワット」の運動はフォームに注意しないと逆に膝関節を痛めてしまうことがありますので、気を付けて行ってもらえればと思います。スクワットをする際には、膝がつま先より前に出ないように、また膝が足の人差し指の方向に向くように注意して、お尻を後ろに引くように体をしずめることを意識すると膝関節への負担を減らすことができますので、ぜひやってみて下さい。
食生活では、メタボややせすぎにならないように食事に注意することが大切になります。肥満になると、体重が増えた分、腰や膝に負担がかかり、ロコモの原因になります。一方、栄養が不足すると、骨や筋肉量が減ってしまいます。また、食事をきちんととらないとエネルギー不足になってしまい、運動をしても筋肉を構成するたんぱく質を使ってエネルギーを産み出してしまい、その結果筋肉が減ってしまうため、しっかり食事を摂ることが大切になります。

運動を習慣にし、しっかり栄養をとることで、元気な一日を送ることが出来ます。その積み重ねが健康な生活になるかと思いますので、私も運動を習慣にして、健康な生活が送れるようにしたいと思います。

理学療法士 河原崎 慎也