季節の変わり目に気をつけたい「隠れ脱水」

新緑が目にまぶしく、つつじなどの花が咲く、さわやかな季節となりました。気温も上がり、過ごしやすい日が増えてきた一方で、「なんとなくだるい」「食欲がわかない」「ぼーっとする」と感じることはありませんか。

こうした症状の背景には、「隠れ脱水」が関係している可能性があります。
隠れ脱水とは、体重の1~2%の水分が失われた、脱水症になる手前の状態のことをいいます。
脱水といえば真夏に起こるイメージが強いかもしれませんが、実は季節の変わり目である春や秋にも起こりやすく、気づかないうちに進んでしまうことがあります。

特に高齢者の方は、加齢によりのどの渇きを感じにくくなることや、体内の水分量がもともと少ないことから、脱水のリスクが高いとされています。
また、認知症や心身の不調などがある場合には、気温や室温といった環境の変化に気づきにくく、ご自身で体調を管理することが難しくなるため、水分補給が遅れてしまうことがあります。
さらに、食欲の低下により食事量が減ると、水分だけでなく体に必要な栄養素も不足しやすくなり、体調を崩しやすくなります。こうした状態が重なることで、「なんとなく元気がない」といった変化につながることも少なくありません。

私たちの体は、成人では約60%、高齢者では約50%が水分でできています。体内の水分は血液、リンパ液、唾液、消化液、尿などの体液として存在し、体の状態を保つために大切な役割を担っています。

体液には、主に次の3つの働きがあります。
①酸素や栄養素を体内に運ぶ
②老廃物を体外へ排出する
③汗や尿によって体温を調節する

日常生活の中では、
・食事摂取量が減っている
・口の中が乾きやすい
・普段より反応が遅い、動作がゆっくりしている
といったちょっとした変化に気づくことが大切になります。

隠れ脱水を予防するためには、
・1日3食、無理のない範囲でしっかり食事をとること
・ミネラルを含む食品を意識して取り入れること
が大切です。飲み物だけでなく、食事からも水分をとることで、水分補給とあわせて栄養補給にもつながります。

1日に必要な水分量は、体格や気温、室温、運動量などによって異なりますが、目安としては1.5~2L程度とされています。
一般的には、食事から約0.8L、飲み物(汁物や牛乳、果物、お茶など)から約1L程度の水分をとっています。みそ汁やスープなどの汁物、果物、ゼリーなどは、無理なく水分を補いやすい食品です。
また、食欲が低下しているときには、食べやすい形状にしたり、好みに合わせた味付けにしたりするなど、無理なく続けられる工夫を取り入れることで、摂取量の維持・改善につながります。

隠れ脱水は、特別な対策だけで防ぐものではなく、日々のちょっとした意識の積み重ねが大切です。
「こまめに水分をとる」「食事をしっかりとる」「体調の変化に気づく」
こうした基本的な習慣が、日々の体調管理につながります。

これから夏に向けて気温が高くなる日が増えていきます。季節の変わり目を元気に過ごすためにも、日常生活の中でできる範囲の対策を続けていきましょう。どうぞお体を大切に、健やかな毎日をお過ごしください。

瀬古晴菜