みなさん良い睡眠とれていますか?

今年も蒸し暑い季節がやってきました。少し前までは昼夜の寒暖差が大きく、これからは室内外での気温差が大きく、快適な気温でぐっすり寝ている家ネコ達が羨ましいです。今年度は医療・介護ともに報酬改定で様々な変化がありましたが、介護の方では生産性向上、医療の方では生活習慣病に対する取り組み強化を求められるようになりました。背景には少子高齢化から人口減少社会へと変化する中で、人手不足の解消を図るべく、業務効率のアップやデジタル化の推進、健康寿命の増進などがあると思います。
生活習慣病の療養計画書では、重点を置く領域が食事、運動、喫煙、その他に分けられており、その他の中に仕事や余暇などとともに睡眠の質・量の確保が含まれています。これまでも睡眠時無呼吸による日中の眠気など生産性低下、心血管疾患・脳卒中や認知症のリスクなどが知られ、スマートフォンのアプリでもいびきや睡眠効率が測定できるようになりましたが、病的でない限りなかなか意識することはないかもしれません。今年ご結婚された(おめでとうございます!)MLBの大谷翔平選手が非常に大切にしていることで有名ですが、一流アスリートレベルでの科学的管理は一般的には難しいでしょう。
では、我々は何を基準にしたら良いのかと思いますが、健康日本21では熟睡感(睡眠休養感、いかにすっきり起床できるか)と睡眠時間の確保(最低6時間以上)・長時間労働の減少(勤務間インターバルの確保など)が挙げられています。
国民調査では6~9時間の睡眠を確保できているのが50%台と、適正時間に個人差はあるものの、非常に少なく感じられます。介護施設では入居者さんの睡眠に対して、見守り機器も活用した良眠の確保に取り組まれているところですが、ケアの質に影響しないよう、職員側の働き方も工夫していかなければと改めて思いました。
長くなってしまったので、具体的な対策には触れませんが、厚生労働省の「スマート・ライフ・プロジェクト」の中に専門家の特設コンテンツがありますのでぜひご参照下さい。

医師 矢尾板 亮