私は子供の頃はテレビゲームが好きで特にロールプレイングという仲間と冒険を進めるようなジャンルを好んでやっていました。ゲームのキャラクターは、戦士は体力や力が、魔法使いは賢さが高いといった具合に職業によってパラメータが異なる仕様となっており、得意不得意があります。
最近子供が大きくなってきたこともあり、一緒にゲームをする機会が増えましたが、現代社会の多様性の反映か、ゲームの世界でも個体差や性格によって個性が現わされるようになってきました。これにより、長所を伸ばすこともできるし短所をなくすこともできる。さらに、自分の長所を活かすことが出来る職業に変えることでより個性を発揮できるようになってきていることに感心しました。
子供の頃から私たち一人ひとりにもパラメータみたいなものがあるのではないかなと考えていました。そのエピソードとして、私の妹は生まれつきの障害がありました。言葉で話すことは難しいですが、感受性が強く感情を他人に表現することが出来ていました。また、手先は器用で玄関の鍵を開けて家を飛び出したことや隠していたお菓子をどこからか見つけてきて食べていたり、子供ながらにすごいなと思っていました。話すというパラメータの数値は非常に低いですが、他の数値は飛び抜けて高いものもあります。社会生活を送る上で大多数の人々との協働には向きませんが、ある特殊な環境下ではすごく力を発揮することができることもあります。
私たちの関わることの多い入院患者や入所者に当てはめてみたらどうでしょう?
私の担当するAさんは脳梗塞による片麻痺があり生活に不便はありますが、もともと特許取得などを目指して創意工夫されていた経験から、折り紙工作を通所リハビリに来た時に職員や利用者の方に教えながら楽しく作業されています。この方は通所利用者でありながら折り紙の先生でもあり、〇〇さん来ないかな?といつも心待ちにされています。
あなたの個性は何ですか?
それは長所ですか?短所ですか?
どんな役割を果たしていますか?果たしたいですか?
そのためにはどうしたらいいでしょうか?
私たちリハビリ職員は、機能を評価し、生活に活かし、さらに楽しみを見つけて慣れ親しんだ地域での生活が継続できるよう支援していければと考えます。
ぜひ一緒に一歩踏み出していきましょう。
今市Lケアセンター 理学療法士 吉原和彰