Withコロナの面会のかたち

新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くの病院や介護施設では面会制限が設けられ、ご家族様となかなか会えない状況が続いています。当施設でも、2020年3月から面会制限を開始し、1年5カ月が経とうとしています。当初はこんなに長期に渡るとは思ってもいませんでした。しかし、悲しいことに、コロナの収束は見込めず、今後も面会制限が続くと考えられます。

このような面会制限の中、当施設では、Face Timeを利用したテレビ電話による面会を実施しています。タブレットの画面を介して、患者様とご家族様が、コミュニケーションを図ります。以前のようにとまではいきませんが、少しでもつながってもらいたいと思っています。「今日は元気そうだね。」「会えてよかった。安心した。」と言ってもらえると、とてもうれしいです。

タブレットを介して、ご家族様・患者様・私たちは、とても必死です。ご家族様は、声が届くように必死で声をかけます。患者様も、声に気付いて反応します。「そこにいないで、こっちまでおいで」と声をかける患者様がいます。ご家族様に触れようと画面に触れる患者様がいます。画面の端から端まで、画面の裏側までも見つめている患者様がいます。私たちも、ご家族様・患者様のために、視線が合うようにタブレットをベストな位置でキープしようと無理な体勢をしたり、時には写真スタジオのアシスタントのように「こっちみて~」と画面に視線を誘導したりしています。残念なことに、テレビ電話のタイミングで患者様が寝てしまっている場合もあります。そんな時は、最近の様子などを伝え、患者様に代わり、私たちがご家族様とつながれるように心掛けています。

普段からニコニコしている患者様でも、ご家族様とつながったときの笑顔は別格です。こんなに素敵な笑顔になるのだと驚きます。コロナが収束に向かい、直接逢って触れられる面会ができることを心から願っています。それまでは、少しでもご家族様と患者様が面会できないことで不安にならないように、つながっていられるように、努力していきたいと思います。

医療福祉総合クリニック
看護師 平石弘美